モノの循環を考える☆三富今昔村SDGsツアー


長谷川エレナ朋美さんのオンラインサロンで

佐藤有香里さん主催のSDGsツアー☆三富今昔村

(さんとめこんじゃくむら)を訪れました!


クヌギの森ではどんぐりから芽が出ていました。

綺麗な水を必要とするホタルの生息地でもあり、

手入れの行き届いた里山であることがわかります。



産業廃棄物処理とは?

いきなりゴミの話です。

というのも、この村や里山を運営しているのは、

産業廃棄物処理を行う会社である石坂産業さん。

まずは処理場の様子を見学しました。


産業廃棄物というと

工場が出すものというイメージがありましたが

家の建て壊しで出る様々な部材も含まれます。


例えば、見学中に見かけたものたち:

  • 鉄骨の混じったコンクリート
  • 釘の混じった木材
  • 水道の蛇口
  • アンパンマンのおもちゃ
  • トイレの便座など

結構身近なものではないでしょうか。


本来なら持込む前に分別してほしいところですが

都心では取壊しから撤去までを短時間で行うため

ごちゃ混ぜ状態で来ることも。


この廃棄物の山を

材料としてリサイクルできる形にし

最後どうにもならないものだけ埋立てに回す。

この一連の活動を産業廃棄物処理と呼びます。



こうした廃棄物がどれくらい発生しているのか

環境省の直近10年分のデータによると

一般ごみが年間4000万トン台で減少傾向。

産業廃棄物は年間3億8000万トンあたりで推移。

当然ですが桁が違います。


レジ袋削減に意味はあるけれど

こういう大きなところこそ

優先的に対策が行われていくといいですよね。


何のため?循環のため!


人間社会で作られた多くのモノは

簡単には自然に還りません。


動植物による生態系循環に任せていては

人の一生をかけてもそこに残ったまま。

埋立ての限界は明らかです。


だからこそ人間の手で循環させる仕組み

リサイクルが必要だという社会奉仕の精神で

活動を続けている石坂産業さん。



そんな素晴らしい取り組みにも関わらず

リサイクル品のクオリティを怪しむ人もいるそうで

自ら検証をして報告書を作り

行政にもはたらきかけるなど、長期戦です。


リサイクルを担う業界や会社に対して

良い印象を持っていない人も多く


NIMBY(ニンビー、Not In My Backyard)

 我が家の裏庭には置かないで、の略語で、

 処理場や火葬場など、社会的に必要なものだが

 居住地域に建設されたくないと反対する住民やその態度

と呼ばれるのだそう。


そこからいかにPIMBY(Please, In My Backyard)

(ぜひ、我が家の裏庭に置いてください)

と思ってもらえるか。


そのために会社の価値を正しく伝えようと

地域貢献、社会貢献、生態系への貢献など

様々な活動をされている様子を見学しました。



処理の過程

間近で見ると

スケールの大きさや様々な工夫に圧倒されます!

ぜひ現場で体験して頂きたいですが

参考までに大まかな工程です。


粉砕

  • 大きなものは重機で砕き、ショベルカーでふるいにかけます。
  • 重機は避ける人も多い一号機で、化石燃料を使わない電動式。
  • 匠の技が繰り広げられます。

分類

  • 磁石で分けたり、職人さんが音で聞き分けたり。
  • その横ではAI搭載のロボットが学習中でした。
  • 金属と一口に言っても様々で、この蛇口は6種類の金属でできていました。

用途に応じた形状に

  • コンクリート系なら道路の下地に
  • 木材系はウッドチップに
  • プラスチックも押し固めて、再生紙を作るための燃料に
  • 用途に応じて形状を整えます


業界ではリサイクル率70〜80 %のところ

石坂産業さんでは98%を達成。

100%を目指しています。


リサイクル出来ないもの

ここまで努力しても

リサイクル出来ずに残ってしまうモノが

最終処分場である埋立地行きとなります。


環境省の2021年5月17日の発表資料では

同年4月時点の最終処分場の数は1,631件

最終処分場の残余年数は17.4年とのこと


新規の最終処分場も建てられていますが

それがなかった場合

17年で埋立て場所がなくなる計算。

本当に他人事ではありません。


リサイクル出来ない理由

残り2%のリサイクル出来なかったものが

一体どんなものなのかというと、

材料に何が使われているかわからないものだそう。


例えば防音効果のために何かが入っている

それが何なのか、判別が難しい。


リサイクル出来ないものを出さないためにも

作る側への声も上げているとのことでした。


既に取り組まれている方も多いと思いますが

ゴミになるものは買わない

買う場合はリサイクルまで考えて選ぶ

を心掛けたいと改めて思いました。


里山の保全活動

訪れた人の憩いの場となっている里山エリア。


以前は暗く人目につかない雑木林で

不法投棄が相次ぎ

約1万トンものゴミがあったそうです。



その土地を少しずつ買い足し、手入れをし、

今では日本ミツバチも訪れる

美しい里山になっています。


敷地内にはニワトリたちが放牧状態で飼育され、

里子として引取ったヤギの親子は

終始リラックスしていてとっても可愛かったです。





デイキャンプ施設や廃棄物で出来たアートも点在し

大人も子供も楽しみながらリサイクルや

生態系循環、アニマルウェルフェアなど

大切なことを学べるステキな場所でした。


人の魅力

場所も素晴らしかったのですが

今回一番印象的だったのは、人の魅力でした。


皆さん明るく挨拶して下さって気持ち良く

どこを見学しても清掃が行き届いていて

随所に創意工夫が見られます。



おしゃれで気になっていた制服

(ジーンズのLeeとコラボしてました!)は

ボトムアップで声を上げて作ったのだそう。


一人ひとりがとてもモチベーション高く

生き生きと働いていることが伝わって来ました。


会話の中で拾ったヒントです

  • 「挨拶をしましょう」といった研修はなく、「そうすることが当たり前」。
  • 様々な職種の人が集まっていて、お互いに無いところを補い合っている。
  • 「自分達でやりたいことを提案」して継続的に活動。
  • 平均年齢36歳、女性従業員4割で、この業界ではとても珍しい構成。
  • 他社の採用を辞退してまで石坂産業に決めた理由は「何でも出来そうだったから」。
  • 何より皆さん笑顔で楽しそう。


そんな組織文化やコーポレートアイデンティティが

どのように築かれていったのか?

とても気になりますよね。


石坂さんの本を買い込んでしまったので(笑)

これから学びを深めたいと思います。




参考