支出を減らしながら豊かに生きる☆非電化工房の取組み

エネルギーとお金をかけずに

自然との調和や

豊かさを得るための

生き方を伝えている場所


と紹介されている

栃木県 那須町にある非電化工房。


とても気になり、見学会に参加してきました。



参加者が母屋に揃うと、

非電化工房代表の藤村先生から挨拶がありました。


その後すぐに

住込みではたらいているお弟子さんのうち二人が

2~3時間かけて

工房の隅々まで案内して下さいました。


非電化カフェ

スタートは非電化カフェから。

お客さんがいたので中は見られませんでしたが、

完全オフグリッドで、

ろうそくの灯りだけで運営されています。


残念ながら翌日からは冬期休業。

春になったら是非訪れたいです。


非電化カフェ


ムーミンの世界に登場しそうなこの建物は

ストローベイルハウス。


Bale of Straw、藁を押し固めたもの

を使うため、壁面に厚みが出るのが特徴で、

さらに漆喰を塗って仕上げているそうです。


実際に触れてみると、藁でこんなに

頑丈な建物になるのかと驚きます。


非電化工房の山羊ペーター

カフェの前には山羊のペーターが。

彼のお家も、もちろん工房の皆さんの手作り。



非電化工房のピザ窯

カフェの裏には手作りのピザ窯。

一層式と二層式の二種類もありました。


これらは初代のお弟子さんたちが作られたもので

こうして毎年、新しいお弟子さんに引き継がれ

次の新しいものが作られ追加され、

暮らしが充実していくのですね。


非電化工房のストローベイルハウス


こちらもストローベイルハウス。

色が違うのはデザインを楽しんでいるのだそう。

宿泊できると聞き、お部屋を拝見。


非電化工房のストローベイルハウス内

しっかりとした作りで、窓もあります。

家具もあったら素敵ですが、

今のところは寝袋持参ですね。


非電化工房の茶室

こちらもストローベイルハウスかと思いきや

藁ではなく籾を使ったのだそう。


このハウスを制作した時のワークショップに

参加された方がいたのですが、

その方によると、籾と泥のようなものを混ぜて

壁に塗っていったということでした。


非電化工房は一般参加型のワークショップも多く、

そういった場で技術習得したり

仲間づくりをしたりするのも楽しそうです。


非電化工房の茶室入口

入りにくい入口。

非日常の茶室をイメージして作られたそうで

あえての場所とサイズです。


非電化工房の茶室

中を覗いてみると、

ちゃんと茶室の雰囲気が出ていてます。


非電化工房の冷蔵庫を改造した部屋

外観がうまく撮れませんでしたが

こちらはなんと冷蔵庫を活用したハウス。

(冷凍庫だったかもしれません)

断熱性が素晴らしく、夏は暑くて大変そうですが、

冬は暖かそうです。


非電化工房の寮

こちらは元々あった建物で

二階の窓から出ている煙突の向きが曲者らしく、

火をつけるのが大変だそう。


非電化工房の五右衛門風呂


お風呂を沸かすのも一苦労なので、

ロケット式(素早く沸かすことが出来る)

五右衛門風呂を建設中でした。


こうして敷地内を回りながら

お弟子さんの話を伺っていると

家づくりやモノづくりの知識が豊富で驚きます。


たった1年間であらゆる技術を習得するため、

毎日頭がパンクしそう、と仰っていましたが、

とても頼もしく感じました。


非電化工房で様々な経験を積んでいるので、

きっと大抵のものなら自分で直せるのでしょう。

依頼した業者の作業を見て

「たったこれだけの作業で〇万円!」

と、事実を知って驚くこともあるそうです。


非電化工房のツリーハウス

夢いっぱいのツリーハウス。

この木がツリーハウスのためにあるような形で、

お見事です。


ハシゴは、上がる時にワクワクするように、

あえて直角に付けられています。

紐で垂らしているバケツは、

本やコーヒーなど、荷物を運ぶのに使います。


すぐ横には小川があり、

休みの日に、

ツリーハウスで読書する時間が最高

とお弟子さん。いいですね。


非電化工房の屋外キッチン

屋外にある作りかけのキッチン。

こちらは出来てからのお楽しみですが、

非電化工房らしい新プロジェクトの話を聞き、

とても楽しみにしています。


非電化工房の廃油発電

SVOとは、調べるとStraight Vegetable Oil。

非電化工房の廃油発電

植物油、例えば菜種油などの廃油

を使った発電だそうです。


非電化工房のアトリエ

こちらがアトリエ。

図工室のプロフェッショナル版、

という雰囲気です。


非電化工房のアトリエ

あらゆる機械や工具、金具等が揃い

こんなに設備が充実したアトリエは

中々無さそうです。


非電化工房の畑

ここまでは家づくりやモノづくりを

中心に見学しましたが、

実はお弟子さんたちは畑仕事もしています。


今年の稲作シーズンでは、

土の耕し具合が十分でなかったためか、

深水栽培をしたいのに中々水が張れず、

浅水では雑草が増えてしまい、苦労されたそう。


今は冬野菜を育てており、

落ち着いてきた頃でしょうか。


非電化工房の農具

これらの農具や農業機械も使いこなし、

参加者からの様々な質問に答えていました。


非電化工房のキノコ栽培

キノコ栽培。

最初の年は、原木がキノコの木になる期間。

あまり収穫は見込めないそうですが、

それ以降5年はほとんど何もしなくても

収穫できるのだそう。


来年以降のお弟子さんたちの楽しみですね。


非電化工房の番犬ムック

敷地内で時々見かける番犬のムック。

ムックが吠え立てるので、

イノシシなど畑を荒らす動物たちは

近寄らないのだそう。


非電化工房の放し飼いのニワトリ

放し飼いのニワトリも。

見学中も自由に歩き回っていて、

小屋ではほぼ毎日卵を産んでくれるそうです。

とても大事にされています。


非電化工房のクリスマスツリー


見学ツアーを終えて母屋に戻ってくると

辺りはもう真っ暗。

本物のモミの木に本物のキャンドルを灯します。


残り時間は

工房で作られたお茶を頂きながら

藤村先生への質問タイム。


様々な背景の方が集まっており、

どの質問も興味深かったのですが、

中でも気になったのは法律との関わり方。


非電化カフェ

例えば、ストローベイルハウスは違法建築か?


ここでは詳しく書きませんが、

発明家である藤村先生が大切にしている

考え方を共有して下さっていました。


発明家としてなぜ発明をするのかというと、

困っている人を救うためである。


困っている人は、

社会的に弱い立場であることが多い。


では弱い立場の人のために

法律はどうあるべきか?

ということを詳しく知り

よくよく考えることが大事。

だそうです。



もう一つは、気になる方もいるであろう、

弟子入り制度について。


非電化工房では、春から1年間という期限付きで

何人かの住込み弟子を募集されています。


お給料は出ませんが、タダで住む場所が与えられ、

家づくり、モノづくり、畑仕事、

カフェのレシピ制作なども

直接指導頂けるそうです。


そしてただ作るだけではなく、

支出を減らしながらも、いかにビジネスにするか、

ということを教え込まれます。

※詳しくは藤村先生の最新刊「自立力を磨く」を要参照です。


何より同じ志を持った仲間と出会えるというのは、

貴重なチャンスですよね。


とても素晴らしい企画なので、

大々的な募集をかけていないのに、

毎年たくさんの応募があるそうです。


選考の仕方はシンプルで、1週間ほど

現役のお弟子さんたちと働いてもらい、

① 体力があるか

② 仲間と一緒にやっていけるか

の二点に注目して選抜するそうです。


非電化工房のバイオリン

実際に弟子入り希望で見学に来て悩んでいたり。

今いるお弟子さんたちが、

卒業時期が近づいてきて、

次のステップにワクワクしていたり。


とても希望を感じた一日でした。



参考

  • 本「自立力を磨く」
    本「自立力を磨く」