世界自然遺産!徳之島で1万年続くサステナブルな暮らし

西表島や沖縄本島北部、奄美大島と並んで

世界自然遺産に登録された徳之島。


他の奄美群島と比べてとても情報が少なく

余計に興味が湧き、訪れてきました。


ソテツトンネル入り口

島の北東にある金見埼ソテツトンネル。


道の端の方ではハブや蛇も出る可能性があり

道の真ん中を通るようにと注意がありました。


ソテツトンネル


元々はソテツで畑の境界を示し

海風から農作物を保護するために植えられたのだそう。


本州で防風林と言えば松を想像しますが

亜熱帯ではソテツなのですね。


ソテツトンネル


生い茂ったソテツの葉が密集して

トンネルのように約200m続きます。

頭上注意です。


オカヤドカリ

と思っていると、足元にも注意です。

たくさんのオカヤドカリが散歩していて

踏んでしまわないように歩くのが大変でした。


金見埼の浜辺


暫く進むと浜辺に到着。


金見埼の浜辺

水の透明度が高く

この日は日差しも強かったせいか

淡い水色をしていました。


金見埼

高台から眺めるとこのような図に。

遠くの方は潮の流れが速そうに見えるのですが

打って変わって浜辺付近は穏やかなのが印象的でした。


喫茶店コーヒースマイル


ぐるりと西へ下り、犬田布岬の珈琲スマイルへ。

ここでは徳之島産のコーヒーを頂けます。

(収穫の時期にもよると思います)


徳之島産コーヒー


熱帯の植物であるコーヒーが育つ環境としては

この辺りが北限になるのでしょうか。


この写真に写っている吉玉さんという方が

1982年からコーヒー栽培を始めたのだそう。


苦難を乗り越えながら仲間を増やし

最近では丸紅や味の素

といった企業も参画しているようです。


むやみに規模を追わず

いい塩梅で進めてもらえたらいいなと思いながら。


犬田布岬


世界自然遺産というと

手付かずの大自然

をイメージする人も多いと思いますが


徳之島で世界自然遺産となったのは

島中央部にある山々。

今では落ち葉さえ持帰り禁止だそうですが

人が出入りする里山です。


カワセミ

徳之島出身のガイド

旅友tokunoshimaの常さんのエコツアーで

夜の森では、写真のカワセミ以外にも

アマミノクロウサギや

リュウキュウコノハズク(フクロウの一種)など

多くの生き物を目にすることが出来ました。


道路上で固まる鳥


そして西表島のように

ここ徳之島でもロードキル問題があります。


ナイトツアー中も、道端でウサギや鳥やカエルなど

様々な生き物を見かけました。

みんな驚いてしまうのか

最初は動かず固まったまま

暫くしてから去っていきました。


そしてもう一つ深刻な問題が

半野良状態で飼われている犬猫。

人からペットフードをもらいながら

山ではクロウサギなどの希少生物を狩ってしまうのだそう。


今回の旅でも、首輪の無い犬が

走っていくのを見かけました。


サトウキビ畑


山周辺の平野部には昔ながらの集落があり

サトウキビ畑が広がります。


西表島で人が暮らし始めたのは

約4000年前と聞きましたが

ここ徳之島では

約1万年も前から人々が暮らしていたのだそう。


それにも関わらず

多様な生き物が残っているのは

実はとても凄いこと。


バランスを取りながら

人と自然のいい関係が続いている。

サステナブルのヒントがありそうです。


島バナナ


民泊「島じかん」で頂いたバナナはなんと野生だそう。


ここの女将さんがとても親切で気さくな方で

集落の集まりに呼んで頂きました。


とうばる集落


「とうばる」と呼ばれるこの集落では

バナナの他にもマンゴーやドラゴンフルーツなど

南国の果物が自然に採れます。


以前は電気も水道もガスもなかったけれど

その辺に果物は生るし

たまに鶏が卵を産み

ヤギや牛もいて

その命を頂いて暮らしてきた。


シンプルに、

それでいいじゃないか

というお話しを聞きながら


ふるまわれた秋刀魚は北海道産で

たくさん笑わせて頂きました :)


海辺の原っぱ


集落によって

土地の生産性など

条件は違うかもしれませんが


周囲5kmくらいの中で命が循環し

遠出する必要もないので

クロウサギを見たことが無い人も多いのだそう。


サステナブルだとか

サーキュラーだとか

言われなくても

循環し続けている人々の暮らしに

感心しきりでした。



参考

旅友tokunoshima (徳之島エコツアー)

民泊島じかん