伊豆大島で暮らす与那国馬の今

与那国馬が伊豆大島にもいると知ったのは

ブルーヘイズ農場を訪れたときのこと。


オーナーの平山さんは、

乗馬を目的とするのではなく、

与那国馬と触れ合うことをメインとした

ホースセラピーをされています。


与那国馬のつむじ


準備運動を終えて、

まずは馬たちを知るところから。


馬には顔や体のどこかにつむじがあり、

それが一頭一頭違うため、

馬たちの顔を覚えるのに役立ちます。


与那国馬のブラッシング

馬のお世話。

ブラッシングをして体の特徴も学びます。

与那国馬は全体的に小柄で、

どの子も基本的に大人しい。


小柄な分、乗馬をする場合は

体重制限があります。


以前体格の大きな方をのせた際、

馬の蹄がはがれてしまったそう。。


北里大学 獣医学部の調査によると、

対象は北海道の馬とのことでしたが

和種馬の最大許容重量は、

馬の体重の29%。


与那国馬の体重は200kg 前後なので

その約30%で計算すると、

安定して動き回れるのは最大60kgまで。


人よりよほど力持ちだろうとは思いますが、

人間で言えば、50kgの人が15kgのお米を

担いで歩き回る。ってすごい事です。


実は今回の体重制限は75kgでしたが、

そこに達していなくても、

結構な負荷になりそうです。






足元が黒っぽいところも与那国馬の特徴。


与那国馬は、名前の通り、

沖縄県の与那国島で、

人々の生活を支えてきた馬。


今や荷物を運ぶ作業は軽トラに代わり、

出番が減ってしまいました。


令和二年時点では全国で105頭。


種が維持されることが優先と、

与那国島にいるかどうかは問わず、

日本の各地で飼育されているようです。


伊豆大島の自然草原


馬が生きていくには

当然エサとなる草が必要ですが、

日本の気候では、放っておけば、

草地から森林へと遷移してしまいます。


そう考えると、火山の影響で

自然草原が保たれている伊豆大島は、

うってつけの場所なのかもしれません。


といっても、牧場の敷地は限られているので、

自然に生えている草に加えて、

干し草や、おやつとして好物の人参も

与えているようでした。


与那国馬を水飲み場へ

ブラッシングを終えたら

お水を飲んで、お散歩に行きましょう

と誘うも、ご機嫌ナナメの様子。


用を足す与那国馬

どうしたのかな?と思うと、

ちょっと用を足したかったのよと。


散歩に行きたくない与那国馬


その後もお散歩には行きたくないと、

全身で表現。

とても意思がはっきりしています。


オーナーの平山さんも何でかなあと?

考えた末、複数の馬を同時に連れていく作戦に。


すると、あんなに嫌がっていた馬たちが

すんなりと歩き出しました。

しかも人間の歩調に合わせて。


散歩をする与那国馬

馬は社会性の強い動物。

ひとりだけ何かする、

というのを嫌がるのだそう。


確かに、どこの誰かも分からない人に

自分だけがついていくなんて、

人間でも怖いですよね。


草を食む与那国馬


無事お散歩を終えて、馬たちを解放。

お疲れ様でした。


野生味がありながらも、

野生ではない与那国馬。


人間と共に生きることになった種とはいえ、

今後どうなっていくのがお互いのためなのだろう。


少しでも、馬が馬らしく暮らせているといいなと、