多様な価値観と日本一のおもてなし
何年も行きたいところリストに入っていた
鹿児島県霧島の「忘れの里 雅叙園」と「天空の森」
どちらも田島旅館の田島さんが作られたお宿ですが
全く異なる世界観を体験出来ます。
こちらは茅葺屋根が印象的な忘れの里 雅叙園。
茅葺屋根自体、
ほとんどお目にかかる機会は無いですし。
中に入って、宿泊できる
つまりメンテナンスされ続けている状態を、
私は初めて見ました。
聞き忘れてしまいましたが、
霧島のどこかに萱場があるのでしょうか。
気になります。
雅叙園は露天風呂付客室を
日本で初めて作ったと言われています。
元祖はこのお部屋ではないとのことですが、
せっかくなので雰囲気を。
木を切らずにそのまま、
床から屋根まで突き抜けていました。
玄関を出るとにわとりのお父さんと遭遇。
お母さんは後ろの草むらの中にいます。
子供たちは、カラスや他の生き物に狙われるため、
養鶏場の方にいるそう。
2人は日中は敷地内を自由に歩き回り、
夜になると自ら小屋に戻っていました。
にわとりがとても大事にされていて、
命を頂くことへの感謝が随所に感じられます。
例えばこれ。敷地内はにわとりが優先です。
Cafeの看板に、にわとりのモチーフ。
夕食のメインは鶏の水炊き、
朝ごはんは卵料理と、
豪華さは無いかもしれないけれど、
命を大切に、感謝しながら頂く。
人間と食料となってくれる動物の
昔ながらの関係にしみじみしながら
しっかり頂きました。
そういえば七夕の頃で
笹の葉に短冊がありました。
いつまでも、
この場所が心のふるさととして
あり続けますように。
と思わずにはいられないお宿でした。
打って変わって
こちらは山の上の天空の森。
日帰り専用ヴィラ「花散る里」です。
同じく田島さんが手掛けられた宿で、
密集する木々や竹を切り開いて作られたこの場所。
山を切り開いてと、言葉にするのは簡単ですが
想像しただけで気が遠くなります。。すごい。
ヴィラの中には木のシャンデリア。
敷地内のほぼ全て、
このヴィラその物も含めて手作りだそう。
チェックインで使わせて頂いたボールペンも
木で出来ていました。
手作りにこだわり始め、
それがどんどん加速しているとスタッフさん。
こちらまで楽しさが伝わってきて、
ついあれこれ聞いてしまいました。
露天風呂から。
晴れると霧島連山が見えます。
唯一電力については太陽光発電では安定せず、
下から引っ張って来ていると。
日本は時期によって
日照時間が足りないのですよね。
ふと何かのコメントで、ごく一部ですが、
この値段でこのサービス内容はいかがなものか、
といったものがあったのを思い出し。
余計なお世話な気がしつつも、
値段が高い=至れり尽くせりなおもてなし、
をイメージしてしまうと、
ギャップがあるのではないかなと思います。
もちろん至れり尽くせりが悪いわけではなく、
多様な価値観があることを知らないと、
ショックを受けてしまう人がいるのだろうなと。
例えばここでは、
滞在客のためだけに空間を使うことが出来る
という価値があります。
著名な方もお忍びで訪れるような場所。
スタッフの方々も、携帯電話で呼ばれない限り、
ヴィラのエリアに立ち入ることはありません。
Privateとあるように、本当に誰も来ません。
ウェルカム野菜。
敷地内の菜園で採れたもので、
ご自由にお持ち帰りくださいと!
これはとっても嬉しかったです。
こんな風に地産地消がコンセプトとなっているので、
ないと思いますが、
ここで中華のふかひれが食べたい、
なんて言っても食べられませんよね。
雨上がり。
ここは雨が降っていてもとても美しかったです。
今、ここ、にしかない景色を、
訪れた人だけが味わうことが出来る。
時代とともに多様化する価値観の中で、
今自分が心地良いと感じる価値と、
この場所が提供してくれる価値が
重なっていることに感謝しつつ。
また新たな景色を見に、
季節を変えて訪れたい場所です。
参考